七言絶句「暑日読書」(拙作)
はじめに
みなさま、こんにちは。千種有宗です。
先日、太刀掛呂山著『詩語完備 だれにもできる漢詩の作り方』*1を入手し、漢詩を作り始めました。
「作り方の部」を読み、早速七言絶句を作ってみました。間違いも多く恥となりましょうが、今後の反省のためにここに記録しておきます。
拙作の漢詩
暑日読書 暑日に読書す
幽思
炎光焦土立糸遊 炎光土を焦がし、糸遊を立たす
昼永鳴蜩携友謳 昼永くして、鳴蜩友を携へて謳ふ
矮屋無人書一巻 矮屋人無く、書一巻
窓前忘刻汗珠収 窓前、刻を忘れて汗珠収む
補足
・炎光:炎のような太陽の光
炎→下平14塩、光→下平7陽
『行成詩稿』涼風撤蒸暑詩:「飄々消苦熱、颯々退炎光」
・焦土
焦→下平2蕭、土→上7麌
・立糸遊
立→入14緝、糸→上平4支、遊→下平11尤
・昼永
昼→去26宥、永→上23梗
・鳴蜩
鳴→下平8庚、蜩→下平2蕭
・携友謳
携→上平8斉、友→上25有、下平11尤
・矮屋
矮→蟹、屋→入1屋
『蕉堅藁』山居十五首次禅月韻「放歌長嘯傲王侯、矮屋誰能暫俯頭」
・無人
無→上平7虞、人→上平11真
『斉安郡後池絶句』杜牧「尽日無人看微雨」
・書一巻
書→上平6魚、一→入4質、巻→上16銑
・窓前
窓→上平3江、前→下平1先
鄭師冉「露重窓前緑竹低」
・忘刻
忘→去23漾、刻→入13職
・汗珠収
汗→去15翰、珠→上平7虞、収→下平11尤
*1:呂山詩書刊行会、1992年